社会・経済ニュースバックナンバー

2016年06月07日号

消費税増税の延期に評価が分かれる
経済協力開発機構(OFCD)が発表した世界経済見通しで日本の実質経済成長率を2月時点から0.1ポイント引き下げの0.7%に修正した。個人消費の弱さと輸出低迷に加え、消費税増税の延期で日本の財政赤字増大リスクが増したと指摘した。一方、国際通貨基金(IMF)は日本の消費税増税延期について、「景気が一段と悪化するリスクの低下になる」と評価した。

日韓調査で「少子化は経済不安」が原因
日本経済新聞社と韓国の中央日報社とが行った共同意識調査によると、少子化が共に進展している日韓両国で少子化の原因を尋ねたところ、「雇用不安・経済不安」が最多の24.8%(日本23.9%、韓国25.8%)だった。男性では日韓ともに「雇用不安・経済不安」がトップだったが、女性だけに限ってみると、日本では「非婚化・晩婚化」(26.6%)、韓国では「仕事と子育てを両立できる制度や環境が整っていない」(38.1%)が最多だった。

金融資産持たない世帯は3割超に
金融広報中央委員会の調査によると、金融資産を持たない世帯は2015年に30.9%となり、過去2番目の水準になったことが分かった。また、一橋大経済研究所が総務省の家計調査を基にした家計の貯蓄残高は4千万円以上の世帯(全体の12.1%)と100万円未満の世帯(11.1%)となり、いずれもが増加している実態にあった。資産面で富裕層と貧困層が拡大し続け、格差が広がってきている実像を浮き彫りにしている。

6割の女性議員が「セクハラ」を経験
共同通信が都道府県議会の女性議員を対象にしたアンケート調査によると、59.2%が「政治活動をする上で、女性蔑視に起因する言動を受けて不快な思いをした」と答えていることが分かった。セクハラを受けた相手を複数回答で聞いたところ、「同じ議会に属する議員」が最多で、「有権者」「国会議員などその他の議員」「自治体職員」が続いた。同社では「男女が共に政治に参画するには、有権者も含めた議会内外の意識改革が不可欠だ」と指摘している。

1人当たり県民所得は4年連続で増加
内閣府が発表した2013年度の県民経済計算によると、全都道府県の1人当たり所得(県民所得)は平均で306万5000円となり、4年連続の増加だった。県民所得は、雇用者報酬と財産所得、企業所得の合計額を人口で割って算出したもの。4年連続で増加した背景に、多くの県で企業所得と財産所得が拡大している実態がある。所得金額のトップは東京が450万8千円で、最下位は沖縄の210万2千円となり、格差は2.14倍だった。

介護保険料滞納差し押さえ、高齢者1万人
厚生労働省の調査によると、介護保険料を滞納し、市区町村から資産の差し押さえ処分を受けた65歳以上の高齢者が2014年度に1万118人に上り、初めて1万人を超えたことが分かった。65歳以上の高齢者の介護保険料は原則として公的年金から天引きされるが、受給額が18万円未満の場合は市区町村に直接支払うことになっており、低年金受給者が支払えない実態にあることを浮き彫りにした。差し押さえ処分された人のうち、実際に処分されたのは約半数の6305人だった。

主要都市の9割で地価が上昇
国土交通省の地価動向報告によると、4月1日時点での三大都市圏と主要地方都市の商業地と住宅地99地点の地価は1月時点と比較して89地点で上昇していることが分かった。下落した地点は7四半期連続でゼロとなり、残り10地点では横ばいとなった。都市部での再開発や堅調なオフィス需要、さらには訪日外国人の増加でのホテル用地需要での取得がけん引したことが寄与している。

7割の医師が「20年内にAIが診療」
医師専用の情報交換サイトを運営する「メドピア」が医師を対象にしたアンケート調査で、69%の医師が「20年以内に人口知能(AI)が診療を担う時代が来る」と予測していることが分かった。AIでの診療実現が可能となる予測年限では「10年超20年以内」が最多の33%で、「5年超10年以内」(23%)が続いた。自由記述の回答では、「専門性が必要な『希少疾患』では人工知能の方が正診率が高い」との指摘もあった。

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